TOSCAイタリア語用語集(〜c)
score 用  語 意  味 解  説
318 2 parti uguali 平等な2つのパート  
370 a diverse distanze 異なった距離で aは〜で、〜の上で、等の意味の前置詞。distanze=距離、の単数形はdistanzaです。
369 a guisa d'eco こだまのように guisaは流儀、仕方という意味。a guisa diというと、〜のように、〜の仕方で、という意味になります。ecoはこだま、反響。ギリシア語のekho(こだま、良い響き)に由来します。
427 a piacere 喜んで piacereは喜び、好意、欲求等の意味を持ちます。英語のplease、pleasureと同じくその源はラテン語のplacere=気に入る、喜ぶ、に辿ることができます。このplacereは、平らな、という意味のplanumや平らにする、なだめるという意味のplacareと関係があります。イタリア語のpiano=平らな、や英語のplain=平らな、はplanumに由来します。
262 a poco a poco 少しずつ 音楽用語としてはpoco a pocoが一般的ですが、イタリア語辞典ではa poco a pocoの用例が挙げられています。
258 accelerando 速くなる、次第に速める 動詞accelerareは速める、促進するの意味。英語のaccelerateに相当します(ちなみに、車のアクセルはaccelerator)。accelerandoは動詞accelerareのジェルンディオ(副詞形)です。
44 accentato アクセントのついた アクセントをつけて発音する、という意味のaccentareの過去分詞。
46 affrettando 急いで 急がす、促すという意味の動詞affrettareの変形したもの(ジェルンディオ=副詞の形)で、この動詞はさらにad(方向、増加等を表す接頭語)とfretta(せくこと、あせること)に分離できます。イタリア語でin fretta e furiaといえば、慌てふためいて、という意味です。音楽用語でもあるfuriosoは、荒れ狂う、猛烈な、という意味ですが、これを名詞にしたfuriaは激怒、猛烈な力、緊急の必要、大急ぎ、という意味をもちます(incalzando、stringendoの各項参照)。
69 agitando 扇動して 動揺させる、ゆすぶる、扇動する、の意味の動詞agitareのジェルンディオ。
38 agitato 興奮した、心が動揺した 動揺させる、ゆすぶる、扇動する、の意味の動詞agitareの過去分詞。
49 al ponticello 駒よりで ponticello, ponteは馬、そして駒の意味です。alはa+il(冠詞)。aは〜の場所で、〜の傍らで、の意味を持つ前置詞。sul ponticello (ponte)ともいいますが、これでは駒の上もしくは駒に接して弾くようです(sulla tastieraの項参照)。
57 allargando クレシェンドしつつ速度を落とす。 拡大する、ゆるめる、和らげる、の意味を持つ動詞allargareのジェルンディオ。ad(〜へ)とlargo(幅広い、ゆったりとした、力強い)からなります。
9 Allegretto アンダンテとアレグロの間の速さ Allegroは陽気な、快活な、いきいきとした、ほろ酔いの、といった意味があり、もともと表情記号でした。ettoは縮小語尾です。
316 allontananddosi 遠ざかる 遠ざかるという意味の再帰動詞、allontanarsiのジェルンディオ。この動詞はav-(〜に)+lontano(遠い)+-are(動詞の語尾)+si(再帰動詞の小詞)という成り立ちで、自分を遠ざける、という言い方に当たります。
408 amoroso 愛情豊かな 愛=amoreを形容詞にしたもので、愛の、愛情に関する、愛情深い、という意味です。名詞として恋人の意味も持ちます。音楽用語としてはamabileがよく使われますが、こちらは愛される、礼儀正しい、という意味です。
5 ancora さらに、もう一度 今なお、未だに、今再び、の意味を持ちます。イタリア語の先祖のラテン語でancoraというと名詞で錨のことになります。そして、イタリア語でも錨はやはりancoraと呼びます(アクセントの位置が違います)。ここで使われている副詞のancoraはフランス語のアンコールencoreとともにラテン語の(in)hanc horam(同じ時に)から来ているのでしょうか。
1 Andante アレグレットとアダージョの間の速さ 歩く、行く、経過する、結果として〜なる、といった意味の動詞、andareの現在分詞(英語ならgoingにあたるでしょうか)から出た形容詞。歩行中の、のんきな、無頓着な、現在の、日常の、安価な、などの意味があります。音楽用語としては、歩くような速さ、と直訳されることが多いですが、力を抜いた普通の速さ、といった意味あいをもっています。さて、トスカのスコアの中でAndanteは以下のように他の速度記号と連結して用いられています。
24 Andante lento   lentoは遅く、という意味です。
18 Andante moderato   moderatoは節度のある、穏健な、の意味の形容詞です。音楽用語としては中庸の速度、となります。様式、方式そして旋法を意味するmodo(英語ならmode)と親戚の言葉です。
53 Andante piuttosto lento   piuttostoはむしろ、どちらかといえばの意味。
299 appassionato 熱情的な、激しい <appassionare(情熱を駆り立てる)。Passionareの項参照。
180 appena animando かすかに活気づけて appenaは、かろうじて、ほとんど〜でない、の意味。Animandoは生き生きとした、活気づいた、の意味。animare命を授ける、の現在分詞です。英語ならanimatingにあたります。ラテン語のanimaには、風、空気、魂、命、の意味があります。
31 appena sensibile かすかに聞こえる appena=ほとんど〜ない。
426 appena sentito ほとんど聞こえない appena sensibileの項参照。
332 appena toccato ほとんど触るだけ toccareは触る、到着する、等の意味を持つ動詞。楽曲トッカータの名もここからきています。
10 arco 弓でひく アーチ、弓のことです。でも、英語のarchに弓の意味はありません。そう、英語で弓はボーイングのbowです。英語で弓のことをbowと呼ぶのは、古いゲルマンの言葉に由来します。そもそも英語はゲルマン系の言語なのですが、フランス語を話す王家に支配された時代が長かったことから、かなりラテン系の語彙が入り込んでいます(archがその一例)。このコーナーでもしばしば引用していますように、おかげで我々がフランス語やイタリア語等ラテン系の言葉を勉強するときに少しは助けになるわけです。英語と同じゲルマン系のドイツ語では弓のことをBogenといいます。古英語ではbogaと言っていましたから、かなり近い形です。
318 attaccare 始める attaccareは付ける、結びつける、攻撃する、という意味を持つ動詞(英語のattackやattachと姉妹語です)ですが、自動詞として始まる、しかける、の意味があります。
315 avvicinandosi 近づく 近づくという意味の再帰動詞、avvicinarsiのジェルンディオ(副詞形。イタリア語ではジェルンディオで現在進行形を作ります)。この動詞はav-(〜に)+vicino(近い)+-are(動詞の語尾)+si(再帰動詞の小詞)という成り立ちで、自分を近づける、という言い方に当たります。
5 ben cantando うんと歌って benはよく、立派に、非常に、たくさん、等の意味を持つ副詞です。cantandoはcantareという動詞から出ています(ジェルンディオ)。意味は、歌う、歌手になる、詩を吟唱する、鳥が鳴く、鶏が時をつくる、腹を立てて大声で話す、などです。
209 brillante 華やかな、輝かしい 機知に富んだ、という意味もあるようです。
190 Cala rapidamente il sipario. 素早く緞帳を降ろす cala<calare=降ろす、rapidamente=素早く、sipario=緞帳
267 calando だんだん遅くそしてだんだん弱く calareは降ろす、下がる、やせる、減る(Cala rapidamente il sipario.の項参照)。calandoはそのジェルンディオ。
3 col canto 歌につける colはcon ilを縮めた形で、〜とともに、の意味です。cantoは歌のことです
436 colpo 一打ち 打撃、フェンシングの一突き等の意味もあります。
3 come prima 頭と同様に comeは〜のように、primaは初めの、第1の、最高の、の意味のprimoの女性単数形。prima parteの意味でしょうか。
90 come un fruscio サラサラという葉擦れの様に fruscioは葉擦れ、衣擦れ音。fruscoloというと小枝、細枝のことです。
315 come un lamento 哀歌のように lamentosoの項参照。
29 con anima 生気を持って ラテン語のanimaには、風、空気、魂、命、の意味があります。
86 con grande espressione 大いに表情を持って 英語に逐語訳するとwith grand expressionになります。名詞espressione(表現、表情)は動詞esprimere(表現する)に対応しますが、これを形容詞にしたespressoには明確な、厳然たる、という意味があります。ところが、英語で急行列車をexpressと呼ぶことを借用し、急行列車という意味の名詞にもなります。さらにここから逆成し、素早い、という意味で使ったのが、有名なcaffe espresso(エスプレッソ)です。
419 con gravita 厳粛さを持って gravitaには威厳、厳粛、厳格、重大性、危険性といった意味があります。形容詞にするとgraveになります(graveの項参照)。
317 con molta dolcezza 非常に甘く dolceの項参照。
384 con slancio 激情を持って slanciareは、強く投げつけるという意味。これを再帰動詞にしてslanciorsiとすると、飛びかかる、突進する、身を投げかけるの意味。そこで、名詞slancioには突進、飛躍、熱情、激情等の意味があります。
16 con sordina 弱音器をつけて sordinoは男性名詞、sordinaは女性名詞。ともに意味は弱音器。白水社の新伊和辞典には、sordinoの方が稀と書いてあります。sordomutoといえば聾唖です。sordoだけなら耳が不自由なこと、mutoは口がきけないことを意味します。弱音器の名称としてはソルディノよりもミュートの方が現状に即しているようです。いずれにせよ、現代日本では差別用語になるような命名です。
113 con spirito 魂を込めて 動詞spirareには、風が吹く、息をする、という意味があります。古来イタリア人は気息の中に生気、精神が宿ると考えていました(ミケランジェロの描くアダムが創造主からいかにして生命を与えられたかを見て下さい)。そこで、名詞spiritoには精霊、精神、機知、感情、本質、そして酒精すなわちアルコールの意味があるのです。ちなみに、イタリア語のspiritoは英語のspirit精神、sprite妖精、フランス語のespritエスプリと姉妹語です。
1 con violenza 猛烈に violenzaは、暴力、乱暴、猛烈、暴行。英語のviolenceに相当します。
281 concitato 扇動された、刺激された concitare=扇動する、鼓舞する、そそる。
356 corta 短い