(C) 関西シティフィルハーモニー交響楽団
(アマチュアオーケストラ,大阪市)


オルガンとは?

ザ・シンフォニーホール(大阪市北区)のパイプ・オルガン

(パイプオルガンの一例)

 オルガン(organ)という言葉は、ギリシャ語で器具、道具をあらわすorganonから派生した言葉で、中でも教会の楽器を特に指すようになり、今日のパイプ・オルガンがすなわちオルガンであると考えられるようになりました。

<オルガンの構造>

 現在のオルガンの構造は、楽器の集合体ともいうべきものです。オルガン・ストップ(音栓)と呼ばれる様々なタイプのパイプの束を切り替えて様々な音色を作り鍵盤の操作で風箱の空気をパイプに送って演奏します。
 それぞれのストップは各音程のパイプを含みます。ストップは、フルートやリコーダーのような仕組みで音を出すフルー・ストップと、クラリネットやハーモニカのような仕組みで音を出すリード・ストップに大別されます。オルガン正面の最も中心に目立つ位置に据え付けられており、バロック音楽で聞くような荘厳な響きを持つプリンシパル・パイプはフルー・ストップに属します。リード・ストップには、逆円錐形の共鳴管を持ち朗々と響くトランペット、ポザウネ(トロンボーンのことです)などが含まれます。
 鍵盤も複数のものが併用されます。まず、中央で2段から多いものでは5段にもなる手鍵盤(マニュアル)である主鍵盤(グレート・オルガン)、そして足鍵盤(ペダル・オルガン)。奏者から見ると後ろに位置する手鍵盤であるポジティフ鍵盤。これは奏者の後ろに置かれた小型のオルガン(リュックオルガン)を鳴らすのが主目的です。その他、スエル鍵盤やオーベルヴェルクなどといった様々な鍵盤が、様々なストップに対応し、装備されています。これらのストップ、鍵盤の組み合わせは個々のオルガンによって違うため、一口にオルガンといっても様々なタイプのものが存在しています。

<19世紀のオルガン>

 中世・ルネサンス期に端を発し、教会音楽とともにバロック期に大発展を遂げたオルガンとオルガン音楽ですが、18世紀も半ばを越すと、音楽の主流から脱落していきます。それと同時にオルガン音楽の世俗化がおこったとする見方もあります。フル−ト・ストップ(やわらかい響きを持つフルー・ストップ)やリード・ストップを多く用い色彩感を強調したオルガンが盛んに作られたりもしました。この時期に(広義の)オルガン音楽を作曲した著名な作曲家として、ブルックナーやサン・サーンスの名前があげられるでしょう。ブルックナーは地方の教会オルガニストからウィーンの宮廷オルガニストまで登り詰めた名オルガニストで、即興演奏の名手として名を馳せていました。したがって、今に残るオルガン曲の楽譜はほんのわずかです。サン・サーンスは交響曲第3番「オルガン付き」でオルガンを効果的に用いています。オルガンを交響曲に用いた例としては、20世紀の作曲家ハチャトゥリアンによる、同じく交響曲第3番があります。

<オペラとオルガン>

 オペラ「トスカ」では教会のシーンでオルガンが用いられていますが、同じ様な例はプッチーニから見るとヴェリズモ・オペラの先輩にあたるマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」に見られます。「教会」を描くには「教会の楽器」であるパイプ・オルガンを用いる。ヴェリズモ(真実主義)のヴェリズモたるゆえんです。
 
オペラ「トスカ」の中でオルガンが使われるのは、第1幕の最後、祖国イタリアのナポレオン軍に対する勝利を祝う合唱のシーンです(正確には、その練習)。歌うのは教会の合唱隊、歌うは「テ・デウム」Te Deum laudamus(我々は神を崇め奉る)に始まるこの歌は、カトリックにおいて感謝の聖歌として歌われます
ローマ法王を追放したナポレオンは、イタリアの敬虔なクリスチャンからはキリストの敵と考えられていたのです。その敗退を神に感謝する祝賀会の準備のシーンで、
合唱の伴奏としてオルガンが使われるのです
ちなみに、ロマン派のオルガニストとして紹介したアントン・ブルックナーは、オーケストラと合唱のための「テ・デウム」を作曲しています。カトリックの典礼で用いられる曲は、歌詞が同じで曲は様々、ということが普通なのです(「レクイエム」をモーツァルトやベルリオーズ、ヴェルディらが作曲している例を思い出して下さい)。

 

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