
(サン・タンジェロ橋より城を望む)
(1999年8月 撮影)

(城の屋上よりテヴェレ川を望む)
(1999年8月 撮影)
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頂上に大天使を抱く”多目的”城
場所:
サン・ピエトロ寺院よりコンチリアツィオーネ通り沿いに東へ約500m、テヴェレ川より道路1本を挟んだ沿いにあります。
概要:
オペラ「トスカ」の第3幕の舞台となるこの城の歴史は非常に古く、2世紀の初めにローマ皇帝ハドリアヌスが自身とその後の皇帝の霊廟として作らせたのが始まりといわれております。
その後、6世紀末にローマ法王グレゴリウス1世により、(伝染病(ペスト)の終焉を告げたといわれる)大天使ミカエルへの感謝の証として、礼拝堂が設けられたため、この霊廟に「サン・タンジェロ(聖天使)」の名が付くようになりました。
以降、この城は中世の終わりに至るまで、主に軍事的要塞、又はローマ法王の緊急用避難所として機能しており、幾多の他国からの侵略からローマ法王を守ってきました。
そして、ナポレオンが活躍していた18世紀末から19世紀初頭、つまりオペラ「トスカ」の時代には牢獄として使用されていたのです。
ちなみに現在は、青銅器時代から現代までの武器等が展示されているサン・タンジェロ国立博物館となっております。
外観の特徴としては、周囲に五角形の囲い(16世紀後半に建造)を持つ、堅固な城壁に守られた、見た目でわかる堅固な外観の城です。
(確かに、脱獄困難な牢獄にはもってこいの構造ですね。)
このような「聖天使城」において、頂上の「大天使」の見守る中で、カヴァラドッシが射殺され、トスカが絶望のままに飛び降り自殺するなど、陰惨なシーンが展開されるのは皮肉としか言いようがないとも思えます。
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