ミンネゼンガーの音楽

 ミンネゼンガーとはフランスのトルヴァドゥールの影響でドイツで生まれた貴族出身の詩人・音楽家たちです。理想の女性像を聖母マリアに託して歌った歌や、牧歌や素朴な恋愛歌などが歌われました。

 ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデやナイトハルト・フォン・ロイエンタールら高名なミンネゼンガーがウィーンで活躍しましたが、なんと言っても、もっとも広く名前が知られているのはタンホイザーでしょう。「ヴァルターにおいては恋愛の優しさと甘美さが、ナイトハルトにおいては愛の真実さと率直さが歌われたとすれば、タンホイザーにおいては愛の焦燥や身を焦がす情熱が歌われる」と評されたタンホイザーは、後にヴェヌスベルクの伝説で有名になりました。これをオペラにしたのがワグナーの「タンホイザー」であることは言うまでもありません。

 ウィーンでミンネゼンガーの音楽が栄えたのは実は彼らの時代までです。擁護者であるバーベンベルク公爵家が滅びたからです。ミンネゼンガーの音楽は宮廷の中だけで演奏されていて、決して民衆に広がっては行かなかったのです。