バレエ「三角帽子」の”おはなし”
− 第2幕(2) −
ルーカスと代官夫人




−村の代官所にて−



すっかり逆上したルーカスは、代官所にまた舞い戻ってきました。
でも、今度は三角帽子マントを身につけているため、誰もルーカスを引き留める者はいません。

「ヘヘッ! ちょろいもんだぜ! さてと・・・ 代官夫人様の部屋は・・・」

代官所の中を探し回ったルーカスは、ついに代官夫人の部屋を探し当てました。

「さあ・・・ ご対面と参りますか!」
と言って、部屋のドアを開けました!
すると、そこにはちょうど代官夫人がいました。

(ハッとドアの方を振り向いて)な・・・ 何です! (服装を見て) え・・・ あなた・・・ (顔が全然違うことに気づき)
じゃない! 何ですか!」
(背後のドアを閉めて)俺の名はルーカス! お前のバカ夫にオレのかわいい女房を寝取られた哀れな男さ・・・! そのかわりにてめえを寝取ってやる! (代官夫人に抱きつこうとする)
「お・・・ お待ちなさい! ちょっと・・・ 何がなんだか・・・」

と、そこへ・・・
(代官夫人様に早くご注進を・・・ 代官がやっちまうまえに・・・ いくぞ・・・ ドンドンドン! あれ・・・? 返事がない・・・ まさか・・・ もう知ってしまった・・・? まさか・・・ 失望のあまり部屋を閉め切ってガス自殺を・・・ って、この時代にあるわけねぇだろう! よし! 強行突入だ!
せぇーーの! バン!
「どわーーー!」「鍵かけてねぇじゃーーーん!」
「どべしゃ!」「ぶへっ!」
なんと、部屋の扉が開いて黒ずくめの覆面をした2人の男が倒れ込んできました!

「何だ! お前らは!?」
(何とか起きあがりながら)フッフッフッ・・・フ、フ、フェックション!「くしゃみしてどうすんだよ!」「我々は正義の味方・・・」「その名は・・・」「・・・(う〜ん・・・さっきと同じ展開にも関わらず・・・)」「・・・(やっぱり突然で考えてなかったな・・・)」「って、必要ねぇだろ・・・!」「あ・・・」「そうだった・・・」
「あなた達は・・・ ビッグスとウェッジじゃありませんか! 何でそんな格好を・・・」
「なんて」「言ってる場合じゃない!」「なんでおまえ・・・」「ここにいるんだよ!」
「それはなあ・・・ (事情を説明する)こうこうかくかくしかじかで・・・」
「何と! それじゃ・・・」「手遅れ・・・!」「くそぉーーー!」「くそぉ!」「おそかったたかぁ!」「無念じゃ!」「おお、何という悲劇・・・!」「・・・」「わかるぜ・・・」「ルーカス!」「俺達が・・・」「憑いているぜ・・・!」「ありがとうよ・・・ でも、字間違えてるぜ・・・」「・・・」「あ・・・」「本当だ・・・」「やっぱり男の友情だよなぁ・・・」「俺達・・・」「気が合うかもよ〜・・・」
「・・・」
「・・・ ・・・ (キレる) ええぇーーーい! さっきから私を差し置いて何いっとんじゃーーー! 何でもええから事情をせつめいせんかぁーーーい!」

「ゲッ!」
と、みんな驚いて、代官夫人これまでのいきさつを説明しました。

「何と! あのブリ虫オヤジめーーー! あんなごろつきどもと手を組んで何て事を・・・! わかりました! 私も行きましょう! あの男をふんじばって川底へ突き落としてやりますわ! (2人の警官の方を向いて) ビッグス! ウェッジ! 事は一刻を争います! 例の”アレ”を用意しなさい! あの史上最速の・・・」「ま、まさか・・・」「我等が古の艦隊名を冠した・・・」「そう!
”インビンシプル”(「無敵」と言う意味)です! さあ! ルーカスとやら! 一緒に乗るのです!」
「ちょ・・・ ちょっと待ってくれよ・・・ その”インビンシプル”って、一体・・・ うわぁぁぁーーーー!」

と、言う暇もなく、代官夫人と共にいつの間にか用意されていた”インビンシプル”に乗せられてしまいました・・・

「ぐええええーーー! は、速いーーー! これならすぐだけどぉーーー!
「そうです! 一刻も早く奴らのもとへ行くのです!」

”インビンシプル”が一体何なのか知る暇もなくルーカス代官夫人ルーカス夫妻の家の方へ向かっていきました・・・