バレエ「三角帽子」について
−作品の概要−


 <作曲者>
マヌエル・デ・ファリア
(1876-1946)




三角帽子の例)

バレエ「三角帽子」の曲は、有名なロシアの舞踏興行主ディアギレフ(1872-1929)の依頼で、スペイン人マヌエル・デ・ファリア(フルネームはマヌエル・マリア・デ・ファリア・イ・マテウにより作曲されたものです。

題名となっている「三角帽子」は、昔に警察署長など地方の権力者(日本で言うところの代官)がよくかぶっていた3つの角が出た帽子(西洋のおとぎ話の魔法使いがかぶる「とんがり帽子」と間違われやすいが、そうではない)のことで、「権力の象徴」を意味しています。(左イラスト参照)

「三角帽子」の物語
の内容は、美しい粉屋(水車小屋)の女房に横恋慕した好色な代官が、手を変え品を変え、亭主の粉屋を不当逮捕し拘留してまで、その女房に関係を迫るものの、結局粉屋夫婦やその他の村人にコテンパンにされてしまうという、ドタバタ喜劇のような話なのです。


”おはなし”については、このページで!)


三角帽子の”おはなし”へ!

そのようなたわいもない話をファリアディアギレフ達は、スペインの民族色豊かな陽気で賑やかなバレエに仕上げたのです。
ちなみに、初演時の舞台や衣装のデザインを手がけたのは、あの有名な画家パブロ・ピカソでした。
このHPで彼のデザイン画の一部を見ることが出来ます。)

そして、このバレエ「三角帽子」に出てくる5つの中心的な舞曲のうち、第2幕に登場する3つの踊りセギディッリャ、ファルッカ、ホタは、バレエから独立した第2組曲として、今なお(日本でも)よく演奏されております。

当団が演奏するのは上記の第2組曲です。


バレエ「三角帽子」の基本データ>

以下にバレエ「三角帽子」に関する基本的なデータを載せます。
これらの内容については、後日出来るだけ詳しく掘り下げて解説したいと思います。

形   式 2幕からなるバレエ(以下の5つの中心的な踊りがある)
赤太字の踊り(全て第2幕)が第2組曲となっている。
(下の「聴く!」ボタンを押すと、その左横にある曲を聴くことが出来ますが、その前に必ずこのページを見て下さい。)

(第1幕)  ファダンゴ(女房の踊り)

(第2幕) 
セギディッリャ(村人の踊り)

               
ファルッカ(粉屋の踊り) 

                メヌエット(代官の踊り)

               
ホタ(終幕の踊り)
初   演 1919年7月22日、アルハンブラ劇場(ロンドン)にて
(バレエ:セルゲイ・ディアギレフ・バレエ団
振付:レオニード・マッシン(粉屋ルーカス役)
(指揮:
エルネスト・アンセルメ
(舞台と衣装のデザイン:パブロ・ピカソ
演奏時間 合計で約40分 (第1幕:約15分,第2幕:約25分)
原   作 ペドロ・A・デ・アラルコン(1833〜1891)作の小説「コレヒドールとモリネラ(代官と水車屋の女房)」
(スペインの民話を物語風の小説として書いて、全欧でヒットした。)
舞台設定 スペイン・アンダルシア地方のとある村
主な登場人物 フラスキータ(粉屋の女房)
ルーカス(粉屋)
代官
(その他)
警官(代官の手下)、代官夫人、伊達男、水汲み少女、村人
オーケストラの
楽器編成
木管楽器群:ピッコロ、フルート、オーボエ、イングリッシュホルン、クラリネット、ファゴット
金管楽器群:トランペット、ホルン、トロンボーン、チューバ
弦楽器群:ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
打楽器群:ティンパニ、チェレスタ、大太鼓、小太鼓、シンバル、トライアングル、カスタネット、木琴、銅鑼
その他:ハープ、ピアノ
            舞台裏の独唱(第2組曲では登場しない)


参考文献:
ファリア −生涯と作品−(音楽之友社刊)

文:
岩田 倫和(チェロ)
イラスト:きよみさん