ブラームス交響曲第3番 ヘ長調
−第3楽章の解説−


関西シティフィルハーモニー交響楽団
第31回定期演奏会の演奏より
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第3楽章の形式は3部形式である。

この楽章の顔はなんといっても最初の哀切なひとふし(譜例15)であろう。

ブラームスはこれに(譜例16)のようなフレーズの伸縮を持ち込むことによって、俗っぽいと言えなくもないエレジーに琥珀色の憂いと深みを与えた


中間部そわそわした感じの木管のパターン(譜例17)バラード調の弦(譜例18)が、何度も主導権を譲り合って進んでゆく。

冒頭のチェロのメロディ豊潤なホルンの音色に着換えて帰って来、一度体験した音楽が再びなぞられてゆく。楽章の最後を飾るのは、胸一杯の想いを言葉にしかねているような切なげな絶唱(譜例19)である。

……ところで、最初の甘美なチェロの旋律を、ブラームス程の才能にも思慮にも欠けた凡庸な作曲家が書いていたらどうなっていたか、という仮説を、音楽学者クリスティアン・M・シュミットがたてている。産みの親がブラームスであったことが、この旋律にとってどれほどの幸運であったか、ピアノかキーボードでぜひお確かめいただきたい(譜例20)

 

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