拝啓 アンケート様

 当団の開催する演奏会では、ご来場下さったお客様にアンケートへのご協力をお願いしております。回収いたしましたアンケートは、演奏会後の打ち上げ会場で団員の間に回覧され、いただいたご批判や励ましの言葉に悲喜こもごも、ひとしきり酒の肴になった後、集計をいたしましてその結果を全団員に公表し、その後の演奏会の参考にさせていただいております。
 ただ、今までこのような集計結果やメッセージに対する回答をご来場下さったお客様にお伝えする場がなく、情報の一方通行のきらいがありました。
 そこで、このコーナーでは、前回(第29回定期演奏会)のアンケート集計結果や、メッセージに対しての返答、内情の説明等をさせていただきたいと思います。



プログラム1 
 


ハチャトゥリアン 組曲“仮面舞踏会”より“ワルツ”

・曲を楽しんで演奏されていました。

49歳 女性

 ほんまに楽しかったです。特に管楽器奏者は弦楽器の人たちから「こんなに楽しそうに演奏しているの見たことがない」と言われました。ブルックナーには、深いが故の楽しみがあるのですが、この曲ではリズムに身をゆだねさえすればあとは何も考えなくていい、という点に快感を覚えていた団員がけっこういたようです。

・アンコールの出来は圧倒的によかった

43歳 男性 外8人

 そうでしょう?演奏会の頭にやったときはコンチェルトの前、ということもあり遠慮もあったのですが、そんなものはどこかへ吹っ飛び、最大限快感を味わおうとした結果でもあります。それにしても、ブルックナーでヘトヘトになっていたはずなのに....。



プログラム2
 


チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調

・大谷玲子さんの演奏はすばらしかった。

沢山

(大谷玲子さんの近くで演奏して)
 なにより、大谷さんは入り込んではるのです、このチャイコフスキーに。
 で、我々は何とかフォローしようフォローしようと頑張るのです。
 すると、そのうち緊張感を維持しつつもなんか知らん「一体感」が得られているのです。
 「めっちゃ、いい感じ...」
 でも、3楽章...大谷さんは自分のペースでどんどん行かはるのです。
 「ちょっと待ってーや...」
 でも、“ほんまもんのソリスト”と競演させてもらえてほんまに最高でした。
 大谷さん、どうもありがとうございました。

・神尾真由子さんの演奏が聴けなかったのは残念だった。

沢山

 当初ソリストをお願いしておりました神尾さんが「右前腕部腱鞘炎の為、急遽出演できなくなった」との報を私たちが受けたのは本番まで一ヶ月を切った時期でした。なにぶん急なことでしたので十分情報が行き渡らず、当日演奏会場でお知りになった方もいらっしゃったようです。本当に申し訳ありませんでした。

 なお、神尾さんの腱鞘炎は大事には至らず、現在は演奏活動を再開されておられます。また、改めて共演の機会がもてれば、との意向を神尾さんサイドからいただいておりますので、神尾真由子ファンの皆様、お楽しみに...。

・フルートの音がGood。

20歳 女性 外9人

 私たちにとって、たったひとりで一つのフレーズを受け持つソロは、何物にも代え難い魅力的な仕事です。そしてお客様からの反応も気になるところ...。

 今回のアンケートでお褒めの言葉を一番多くいただいたフルート奏者S氏から一言。

 チャイコフスキーは最も好きな作曲家だったのですが、その中でも憧れていたVn協奏曲の“おいしーいソロ”を吹く機会が訪れ大喜び。それもつかの間、数小節なのになんと難しいことか...。練習では何度もやり直しさせられました。本番ではVnのカデンツァの間(ソロの直前)すっごく緊張しましたが、シンフォニーホールで気持ちよく響かすことが出来て個人的には大満足でした。お客様からも評価していただきとても嬉しいです。

・クラリネットの音が非道かった。

25歳 男性

「そんなこと、言われんでも本人が一番わかってるわい!でも...やっぱりお客さんにもしっかりバレてんねんなぁ」

 このコメントを読んだとき、「本人」はこんな事を考えます。で、次の演奏会ではそんな事言われん様にがんばります。先程のお褒めの言葉同様、このような苦言も奏者の励みになるのです。(編集部注:このコーナーの担当はクラリネット奏者です)


プログラム3 


ブルックナー 交響曲第7番 ホ短調

・マタチッチを思い出す指揮に感動した。

年齢不明 男性

 マタチッチと親交の深かったスルジッチ先生の指揮でこの曲を演奏できたことは、私達にとって本当にラッキーでした。ほとんどの団員にとってブルックナーは初めての経験であり、曲想を十分に理解して演奏できたとは思えませんが、もっと勉強してまた挑戦してみたいと思います。

 アマチュアの私達が「偉大な指揮者ロヴロ・フォン・マタチッチ氏生誕100周年を記念して」と銘打った演奏会を企画したことは、何かおこがましいような気もします。しかし、偉大な先人達が積み上げてきた音楽の「歴史」に微力ながらも参加したという誇りを感じることが出来た演奏会でした。

・2楽章最後のホルン・ワグナーチューバの和音がきれいだった。

32歳 男性

 この交響曲は、R.ワグナーが自作のオペラのために開発したワグナーチューバという楽器を使用していることで有名ですが(知らない人は知らないです)、この楽器の演奏はホルンパートが受け持ちます。方々手を回し、ようやく楽器をレンタルして練習を始めたのですが、とにかく音程を合わすのが難しい!ホルンパートだけで練習場を借りて、何回も練習しました。本番は小さなミスはあったにせよ・・・まあまあじゃなかったですか?

・ブルックナーは難しい、との先入観がありましたが、いつの間にか引き込まれました。

51歳 女性

 本当にありがとうございます。ブルックナーは強烈なファンを持つ一方、取っ付きにくいイメージを持たれる方も多いようです(団員の中にも)。私達の演奏を聴いて「ブルックナーっていいもんだな」と感じて下さった方がいらっしゃったことは本当に嬉しく思います。これからもアマチュアならではのお手ごろ価格(?)で様々なタイプの曲を取り上げていきたいと思っております。


演奏会全般に対するご意見


・携帯電話が演奏中に鳴った。電源オフの確認を演奏会前にアナウンスしてほしい。

22歳 女性 外4人

 ご指摘ごもっともです。開演前のアナウンスは入れていたのですが、徹底されていなかったようです。今後もその旨はアナウンスして注意を促したいと思います。

・平松さん、ご苦労様でした(1ファンとして)。

52歳 女性 外5人

 第29回定期演奏会は、約6年間コンサート・ミストレスとして私達の演奏をリードして下さった平松加奈さんのラストステージでした。私達にとってもお別れするのは残念ではありますが、彼女の幸福と輝かしい未来を願って東京に送り出したものです(少し大袈裟ですが)。

 お客様からも愛されるコンサート・ミストレスをもてたことは当団の誇りでもあります。新しいコンサート・ミストレス、辻さんもどうぞご贔屓に!

 ちなみに、平松さんはクラシックだけではなく、様々なジャンルのユニットのメンバーとしてご活躍中で、しばしば関西でも演奏されています。機会がありましたら、そちらのコンサートも覗いて下さい。


 まだまだご意見はありましたが、次回以降のこのコーナーでぼちぼちお答えしていきたいと思います。また、演奏上の苦言(音程が合っていない、タイミングが合ってない、うるさすぎる、迫力不足、表現しきれてない、etc.)数多くいただきました。これらはひとえに私達の技量不足、勉強不足と心得、より一層の研鑽を積んでいきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 それにしましても、今改めてアンケートを読み返しながら、様々なメッセージ、有り難いと思います。中には細かい字でびっしりと裏面まで書いて下さった方もおられました(演奏中に書いていませんよね?)。
 こうした皆様方からのご意見、励まし、苦言などの“反応”があることは、私たちにとって次の演奏会に向かっての大きなエネルギーになっています。
 これからも益々のアンケートへのご協力をお願いいたします。