簪(かんざし)と櫛
<簪と櫛>

蝶々さんが花嫁道具として持ってきた小さな簪は一つ(オペラ上の原語(イタリア語)でUn piccolo fermaglio=一つの小さな留め具帯留を指すとする訳もあります−後述)だけですが、婚礼で、文金高島田を結うとき、多いときには前差し後差しが各2本と、笄(こうがい)と櫛が各一つの、6つの髪飾りが飾られます

簪が装身具として用いられるようになったのは江戸中期(18世紀の中頃)です。
もともとは髪さしと呼ばれていたのが転訛してかんざしになりました。珊瑚などの玉を付けただけの単純なデザインの玉簪は、明治大正にも広く用いられました。

婚礼では花簪(はなかんざし)といって、縁起物をかたどった細工物をぶら下げた吉祥簪びらびら簪などが用いられます。

は簪よりも古くから用いられています
もともとは、結い上げた後の髪を整えたりするための、「髪かき」と呼ばれる細い串だったのですが、だんだんと棒状になり、これを芯に髪を巻くようになりました。
そして、髪を結い上げてから後から左右を貫いて差し込むものに変化しました。

婚礼では、鼈甲(べっこう)金銀細工などの豪華なものがよく用いられます。

はもともと髪をすくための道具ですが、髪飾りにも使われました。
江戸中期以降盛んに用いられるようになり、笄と材質、意匠を統一した組み物も作られるようになりました。

髪飾りに関する詳しい説明こちらでみることができます。


<帯留>

帯結びが複雑で装飾性が高まってきた江戸後期から帯締めが用いられるようになりました。この帯締めの両端に金具がついたものから明治期(ちょうど蝶々さんのいた時代)になって帯留があらわれました。

七宝焼き陶器金属ガラスなどさまざまな材質で作られる帯留は、帯回りのちょっとしたアクセントとしての機能も果たします。