オペラ「蝶々夫人」

−あらすじ(第2幕第1場)−


蝶々さんピンカートンが結ばれてから数ヶ月の後、ピンカートンは任務のため、また母国アメリカへ帰還しました。
「愛おしい僕の蝶々さん、駒鳥が巣を作る頃に帰るよ。」という言葉を残して。

そして、ピンカートンからなんの音信もないまま3年の月日が経ちました・・・
ピンカートンから渡された生活費も残りわずか使用人もスズキを残すのみとなり、愛の住処にはただただ寂しさがあるのみです。

<第2幕第1場>
(第1幕から3年後の蝶々さんの家)

フルートや弦楽器で弱く演奏されるさびしい幕開けは、蝶々さんの寂しい佇まいを物語るかのようです・・・
「そら見たことか、我等の信仰を捨てた天罰じゃ!」というボンゾーの呪いの念も見え隠れします。

蝶々さんの家に残る唯一の使用人、スズキは今日も蝶々さんのために日本の神々に祈ります。
蝶々さんがもうこれ以上泣かないようにと・・・


スズキの祈りの歌
(高い山から谷見れば)

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蝶々さん「日本の神々は怠け者」と言って、彼の「駒鳥が巣を作る頃に必ず帰ってくる」という言葉を信じきっています。


駒鳥の鳴き声

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「そんな話は聞いたことがない」というスズキと、家に鍵まで付けて領事様に家賃の支払いを依頼したのはなぜよ!」という蝶々さん、二人は口論になりますが、それでも信じて疑わない蝶々さんは、スズキを言い聞かせるように、ピンカートンが帰ってくるときの光景を思い浮かべながら一つの歌(アリア「ある晴れた日に」)を歌います。

アリア「ある晴れた日に」

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(当HPと関係ありませんが、このページで、実際のアリア「ある晴れた日に」を聴くことが出来ます(無料配布のReal Playerが必要です))


そこへ久方ぶりに領事シャープレスゴローと一緒に蝶々さんの家を訪れます。
シャープレスピンカートンからの手紙
「母国で本当に結婚しちゃったから、蝶々さんの事は後腐れないようお願いね!」という軽い離縁状的な意味だったのでしょう)を携え、ゴロー蝶々さんの新しい結婚話を持ちかけて来たのです。
(この辺、どうも、二人で何かを企んでいるようです。)

シャープレスの再来を無邪気に喜ぶ蝶々さん。
シャープレスが「実はここに
(手紙が・・・)といい出すのも無視して、アメリカのタバコを勧めたり、「ゴローが新しい婿を紹介しようとして、もう私うんざり!」と言って、なかなか話が進みません。

そうこうしているうちに、ゴローお勧めの新しい花婿候補、大村に大きな屋敷を構える大金持ちのヤマドリ公
(原作〜オペラの変遷はこちら)(公爵?)が登場します。
(この辺、元大村藩主の家柄を想定しているかもしれないですね。)


ヤマドリ公のテーマ
(宮さん宮さん)

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ヤマドリ公の(蝶々さんにとってはうんざりするほど毎回の)来訪を長唄風の仰々しさで、半ばバカにしながら迎える蝶々さん。
「貴方には永遠の愛を誓えます!」というヤマドリ公に対して「私の操は彼
(ピンカートン)のもの。結婚してアメリカ人となった私に不幸は要りません!」と、けんもほろろに断ってしまいます。
寂しそうに帰っていくヤマドリ公、そんな彼を鼻であしらう蝶々さん。

「なんと哀れな・・・これではますます・・・」
より一層悲壮感を持ってしまったシャープレス、何とか蝶々さんに手紙を読んで聞かせようとします
(蝶々さんは手紙の英文が読めなかったのでしょう)が、あまりに蝶々さんが無邪気に彼を祝福する様を見て・・・
もうダメだ!これ以上はとても・・・ええい、悪魔のピンカートンが!と手紙をしまい込み、代わりに「ピンカートンがもう二度と帰らない、とすればどうします?」と、衝撃的な質問します。

一瞬余りの衝撃に死んだように立ちすくむ蝶々さん
時間をおいて、絞り出すように「芸者に戻るか・・・死ぬか・・・」と言い、真実を知っているシャープレスが蝶々さんを哀れむあまり、ヤマドリ公との再婚を勧めると、逆ギレしてシャープレスを追い返そうとまでします。

シャープレスが非礼をわびると、蝶々さんはすかさず、「この子のことはどうなるの!」と言って、ピンカートンの間に生まれた息子
(原作〜オペラの変遷はこちら)を出してきます。


蝶々さんの息子のテーマ
(その1)
(かっぽれ)

蝶々さんの息子のテーマ
(その2)
(かっぽれ)

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蝶々さんの息子を見てを見て感動するシャープレス。
息子の名前を聞くと、「今は『ドローレ(悲しみ)』でも、夫が帰れば『ジョイア(喜び)』になるでしょう!」と言い、「夫に見捨てられたら、この子のために芸者となるしかないでしょう・・・ でも、そんな生活になるぐらいなら
死を選ぶ!とまで言う蝶々さん、その思いの強さを確認したシャープレスは、息子のことをピンカートンに必ず伝えると言って、家を去ります。

その直後!
突然雰囲気がざわめきだち、スズキの金切り声ゴローの叫び声が響きます!
スズキは「こいつが蝶々さんの息子を『父親のはっきりしない呪われた子!』と言っている!」とゴローをなじり、ゴローは「呪われた子はアメリカでつまはじきにされる!」と叫びますが、蝶々さんは短刀でゴローを脅して追い出してしまいます。

「みんなどうしてこんなに・・・ひどいわ! 可愛い坊や、あの人はきっと私たちを偉大な国
(アメリカ)へと誘ってくれるのよ!」
と嘆きながらも夫を信じて止まない蝶々さん

「ドォーーーン!」
そこへ港からの大砲の音。あわてて望遠鏡を覗く蝶々さんの目には「アブラハム・リンカーン」の名の軍艦が映ったのです!

「帰ってきたのよ!あの人が! 愛の勝利よ! スズキ、あの人を迎える準備をしましょう!」と言って、スズキと一緒に庭の花を摘み取り、部屋の中にいっぱい撒きます(花の二重唱)

(当HPと関係ありませんが、このページで、実際に歌われる「花の二重唱」を聴くことが出来ます(無料配布のReal Playerが必要です))

そして、スズキに化粧をしてもらって婚礼の時の衣装を付けた蝶々さんは、スズキ、息子と共に部屋の障子に穴を開け、そこから外を覗きながらピンカートンの帰りを部屋でじっとして待ち続けるのでした。

待ち続けて
いくうちに夜は更けていきます・・・


ハミングコーラス


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