(C) 関西シティフィルハーモニー交響楽団
(アマチュアオーケストラ,大阪市)

ペレアスとメリザンド
− 登場人物紹介 −



メリザンド(Mélisande)

出生地・年齢が全く不詳の謎の女性で、この世のものと思えない美しい顔と、身長よりも長い金髪が特徴の少女とされています。その美しい容貌には、ゴローやペレアス、年老いた国王アルケルまで惹かれてしまいます。
性格に関しても、訳もなく泣いていたり、ゴローからもらった結婚指輪を無邪気に弄んだり、ペレアスを深く愛し、彼と死ぬ覚悟をしつつもいざとなったら逃げてしまったり・・・など理不尽なところがあって、これも謎に満ちています。

彼女は第1幕第2場で、森の泉のほとりで泣いているところをゴローに見られて、その後なぜかゴローと結婚してアルモンド城に入城することとなりますが、その後ペレアスと出会い、相思相愛の仲となってしまうことから悲劇が始まります。

メリザンド

 

ペレアス

ペレアス(Pélleas)

アルモンド国王アルケルの孫であり、美しい顔立ちとその華奢な容姿そのままの優しさを持つ青年です。
その優しい性格は、祖父のアルケルや母のジュヌヴィエーヴ、異父兄のゴローはもちろん、その先妻の遺児イニョルドや女中まで、皆が認めているぐらいです。
ただ、性格が割と子供っぽく、ナーバスであったり、変に夢中になる面も見られるので、(ゴローと違って戦役に出ることもなく)多少過保護的な環境で育ったことが伺えます。

彼はゴローの嫁としてアルモンド王城に入ったメリザンドに恋して、相思相愛の仲となりますが、嫉妬に駆られたゴローにあっけなく刺し殺されてしまい、泉の中に沈められてしまいます。

 

ゴロー(Golaud)

ペレアスと同じく、アルモンド国王アルケルの孫でありますが、ペレアスとは父親が異なる異父兄の関係にあります。
兄弟とは言え、その生い立ちや性格(外見も?)はペレアスと対照的で、本人曰く「血と剣で育ってきた」という、根っからの戦士タイプで、きわめて勇猛果敢かつ粗暴なところがあります。
(おそらくアルモンド国軍の将として、近隣諸国との戦争に明け暮れていたのでしょう。)
また、ペレアスに対しても本当の弟のように慕っている面もありますが、自分と違って周りの人間に愛されていることへのコンプレックスや、母ジュヌヴィエーヴ曰く「一人ではいられない」という愛情に飢えている面も見え隠れしています。

狩りに出た森の中でメリザンドに出会い、結婚しますが、彼女がペレアスと相思相愛の仲であることを知って、嫉妬のあまり弟を刺し殺した上に、そのショックから瀕死状態のメリザンドに対して、彼女の不倫の罪を白状させようとさせるなど、自ら悲劇の種を作ってしまいます。

ゴロー

 

アルモンド国王 アルケル

アルケル(Arkel)

非常に高齢かつ半ば盲目状態のアルモンド国王です。
本来ならば隠居すべきところなのでしょうが、その後継者たるゴローの父親がいない(いないのは確かだが詳細は不明)上に、ペレアスの父親も重病であることから、仕方なく王座についているのでしょう。
アルモンド国の安定を願い、対立している国の王女とゴローの政略結婚を画策しますが、メリザンドとの結婚により水泡に帰してしまいます。それでも、メリザンドやゴローへのお咎めがなかったのは、ひとえに「運命には逆らわない」という自分の哲学と、その温厚な人格からでしょう。

自分の(死に近づいている)運命や、この世界の森羅万象を悟っている(諦観している?)かの如く、その台詞はきわめて哲学的かつ(この劇のストリーに対して)暗示的な印象を受けます。
彼は原作者メーテルランクの哲学そのものを語る代弁者と言っても過言ではないでしょう。

 

イニョルド少年(Le petit Yniold)

ゴローと先妻(死別)の間に生まれた(おそらく7〜8歳ぐらいの)男の子です。

性格は子供らしく無邪気ですが、死別された母親の愛情に飢えていたせいか、新たな「母親(継母)」となったメリザンドに、(名前以外謎だらけであるに関わらず)なついてしまいます。
その一方で、本当の父であるゴローに対しては、父親としての尊敬よりも、ゴローの粗暴さから感じる「恐れ」の感情の方が勝っているようです。
(この感情は第3幕第4場の「覗きの場」で明らかに出てきます。)

イニョルド少年

 

ジュヌヴィエーヴ

ジュヌヴィエーヴ(Geneviéve)

ゴローとペレアスの母親です。
彼女は第1幕第3場,第4場にしか登場せず、その台詞も第3場の手紙を読む場面以外はとても短いもので、詳しい性格等を伺わせる部分は少なくなっています。
(おそらく同じ女性キャラクターであるメリザンドと存在感が拮抗しないように、わざと影を薄くしたのでしょう。)

第1幕第3場でゴローからの手紙を読んだ後、政略結婚に従わなかったゴローを気遣う場面もありますが、その思いはゴローには届かず、彼は悲劇への引き金を引いてしまうこととなります。

 

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