(C) 関西シティフィルハーモニー交響楽団
(アマチュアオーケストラ,大阪市)

バーンスタイン・ミュージカル
「ウェスト・サイド・ストーリー」より

Maria & Somewhere

− 筋書きと歌の概要 −

「ウェスト・サイド・ストーリー」は言わずも知れた名指揮者にして作曲家のレナード・バーンスタイン(1918-1990)の代表作の一つで、ニューヨークのダウンタウン(ウェスト・サイド)を舞台としたミュージカルです。この作品は1957年にワシントンで初演されて以来、その年のうちにニューヨークのブロードウェイで732回も演じられ大ヒットしました。

話の内容は、敵対する二つの不良少年グループ(イタリア系移民のジェット団とプエルトリコ系移民のシャーク団)の男女が愛し合い、二人の愛の成就とグループ同士の和睦を願いつつも、運命のいたずらによって主人公が死を迎えるという、「禁断の愛」ゆえに生じた悲劇で、シェークスピアの有名な悲劇「ロミオとジュリエット」を現代に置き換えた話です。
「本家」のシェークスピアの悲劇と同じように、有名なバルコニーのシーンや、主人公が親友の死に逆上して、衝動的にヒロインの兄弟を殺すシーンや、ヒロインが死んだと聞かされて自暴自棄になって死を望むシーンなど、時代や場所など設定は大きく異なれど、ストーリーは「本家」さながらに展開されていきます。
ただ「本家」と大きく違っているのはヒロインの最後の行動で、「本家」が主人公の後を追って自殺するのに対し、このミュージカルでは、一度は後を追おうとしますが、取り直して恋人の死を乗り越えて強く生きようとするのです。が、それはある種、後を追って死ぬよりも苦しい選択であるかもしれません・・・
(詳細なストーリーや設定のいきさつなどウラ話的な内容がこのページで書かれておりますので、またご参照下さい。)

また、このウェスト・サイド・ストーリーに関する詳細がこの公式ホームページで紹介されています(ただし全て英語です)ので、英語が読めて興味のある方はぜひご覧下さい。


では、以下に今回歌われる各曲について紹介致します。


"Maria(マリア)"

この歌は、体育館でのダンスの場で、「ロミオ」となる主人公トニーが、「ジュリエット」となるヒロインのマリアと運命的な出会いを遂げた後、マリアに一目惚れしたあまり、思わず歌ってしまったものです。
歌の内容としては、「マリア」の名前の連呼から「なんていい名前なんだ」「おまえのことが頭から離れない」など、女に一目惚れしてしまった青年の熱い心境が情熱的に歌われています。

歌詞の邦訳はこちら


"Somewhere(どこかで)"

この歌は、トニーとマリアの夢の中を描いたシーンに登場するもので、劇の筋書きとは直接関係はなく、「少女」と称される一人の歌い手が「どこかで」歌っているという、現実的で殺伐とした劇中にあって、異色を放っている幻想的な作品です。
二人の夢の中でジェット団とシャーク団、2つのグループの和睦(=トニーとマリアの愛の成就)と安息を願う心が生み出した歌と考えられます。

歌の内容は「どこかに私たちのための(平和と安息の)場所と時間がある。そこを目指そう。」というような感じで、恋人たちやジェット団、シャーク団のメンバーが手を取り合ってどこかへ行こうとする場面が描かれますが、もちろんこれらは夢の中の話で、もちろん現実は悲劇的に逆の方向へと展開します。

ちなみに、1961年に製作されたナタリー・ウッド主演の有名な映画「ウエスト・サイド物語」では、トニーとマリアの二重唱で歌われますが
(設定上、こうした方が効果的だったのでしょうね・・・夢の中のシーンこそ映画の方が舞台より表現しやすいはずなのに・・・)、原曲は「少女」が舞台裏で一人で歌います。
と言うことで、当日中西さんの歌を聴いて、「あれっ、何で一人やねん?」と思わないで下さいね(笑)

歌詞の邦訳はこちら

文: 岩田倫和 (チェロ)