(C) 関西シティフィルハーモニー交響楽団
(アマチュアオーケストラ,大阪市)


関西シティフィル・ギャラリー
−第38回定期演奏会の映像−


<ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」第4楽章>
−終結部−
Windows Media形式:約2.5MB (演奏時間:1分18秒)


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ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」
第4楽章の最後の部分です。

ここで出る旋律は、この楽章の最初に演奏された急き立てるような前奏の変形が出た後、「プロメテウス」の主題旋律の変奏が演奏され、圧倒的な迫力をもって力強く曲が締めくくられるという、まさに「英雄」の名にふさわしい終結部となっています

かつてベートーヴェンを指導していたことのあるフランツ・ヨーゼフ・ハイドン
(独:1732-1809)は、自ら100曲以上の「交響曲」を作曲することによって、その形式を確立した作曲家として現代でも有名ですが、そのハイドンが、この「英雄」交響曲を聴いて、(ベートーヴェンは)もはや私の弟子ではない!」と言ったそうです。
その言葉には、この交響曲が持つ構造の革新性とベートーヴェンの持つ作曲に対する精神性が、ハイドンの指導で引き出されたものではないという事実だけでなく、ベートーヴェンがこれ以降、誰のものでもない独自のスタイルで音楽史上の「金字塔」を打ち立てていくことが暗示されていたように思えます。

ところで、この最後の部分は、速度標語
(音楽の早さを示す楽譜上の指示用語)として、
"Presto"(プレスト:きわめて速く)と指示されて
おり、本来はもっと速く演奏した方が、そのような雰囲気が出やすい部分です。
この曲を聴かれたことのある方は、意外にも遅い当団の演奏を聴いて、「何だ、全然"Presto"に聞こえないじゃないか!」と思われるかもしれませんね。

しかし、本当にここを速く演奏すると、ヴァイオリンやヴィオラの細かい刻みの音が十分に出せず、かえって迫力が出にくくなってしまうため、あえてそれらの音が十分に出せる速度まで落として演奏しています

そうすると、この"Presto"というのは、実際に聞こえる表面上の「速さ」と言うより、心の内面の「はやる気持ち」を表現した、「精神的な」標語かとも思えてきます。

 

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<文> 岩田 倫和 (チェロ)