(C) 関西シティフィルハーモニー交響楽団
(アマチュアオーケストラ,大阪市)


関西シティフィル・ギャラリー
−第38回定期演奏会の映像−


<ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」第1楽章>
−冒頭部−
Windows Media形式:約3.5MB (演奏時間:1分50秒)


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ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」
最初の部分です。

ナポレオンの活躍と皇帝への即位が絡んだこの交響曲の成り立ちは有名なところですが、この曲はその成り立ちだけでなく、交響曲の分野に関して、曲想や構造に今までにない斬新な試みがいくつもなされており、その面でも特筆に値する名曲です。

たとえばこの最初の部分からしてそうです。
この「英雄」以前の交響曲
(ハイドンやモーツァルトの交響曲)の最初は、ゆっくりとしたテンポの序奏から入って2〜3分ほどしてからテンポの速い主題(テーマ)が演奏されるのが普通でした。
ところが、この「英雄」交響曲では、序奏がたったの2小節、しかも「ジャン、ジャン」の和音のみです。そのあとチェロがこの曲で一番大事な主題となる第1主題を演奏します。
テンポがいきなり速く、序奏がたったの2小節というところから、この交響曲の斬新さが伺えます。
しかも、その主題を演奏する楽器として、低音楽器のチェロを採用したのも、管弦楽法
(楽器の用法)として斬新な試みでした。
これまで主題を演奏する旋律楽器として多く用いられてきたのは、ヴァイオリンやフルートなどの高音部を受け持つ楽器でしたが、それらの楽器をさしおいて、高音部を支える立場にあった低音楽器であるチェロが最初に主題を演奏することは、これまでの交響曲にはあり得ないことでした。

この最初の部分は、この交響曲の持つ斬新さをもったいぶることなく最初から示したばかりか、チェロの旋律楽器としての可能性をさらに広げたことでも、この革新的な交響曲の中でも特筆に値する箇所です。

 

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<文> 岩田 倫和 (チェロ)