(C) 関西シティフィルハーモニー交響楽団
(アマチュアオーケストラ,大阪市)


関西シティフィル・ギャラリー
−第37回定期演奏会の映像−


<ブルックナー交響曲第9番第2楽章−冒頭部>
Windows Media形式:約3.6MB (演奏時間:1分51秒)


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ブルックナー交響曲第9番第2楽章
最初の部分です。

「タタターン」という信号音のような木管楽器の「呼びかけ」に応えるかのように弦楽器がピッチカート
(弦を指ではじいて鳴らす奏法)で動機(短い旋律の断片)を演奏し、それがもっと短い動機となって徐々に音量を増しながら繰り返されます。そして、その動機の掛け合いが頂点に達すると、突如ティンパニ(この曲唯一の打楽器)冒頭の「呼びかけ」を「ダダダン・ダン・ダン・・・」と荒々しく叩き、今度はそれに応じるかのように全楽器が同じリズムと動機を荒々しく演奏します。

この第2楽章は「スケルツォ」(諧謔曲)という形式のテンポの速い3拍子の曲となっています。
もともと交響曲という曲の形式は、基本的には4つの楽章(小曲)で構成されており、第1,4楽章がテンポの速いソナタ形式
(主に2つの主題を持ち、それらの旋律の提示部、展開部、終結部から成る)第2(または3)楽章がテンポの遅い3部形式(主旋律の提示→中間部→主旋律の再現による構成)第3(または2)楽章が3拍子の舞曲形式(テンポの緩やかなメヌエット、またはテンポの速いスケルツォ)となっています。
なお、スケルツォの形式は、基本的にはスケルツォ
(舞曲風の早い旋律とその展開)→トリオ(スケルツォの旋律と趣が異なる旋律とその展開)→スケルツォの再現→コーダ(終結部)という行程をたどります。

ブルックナーもこの形式の「王道」に従い、自作の交響曲についても第2(または3)楽章を典型的なスケルツォ楽章にしていますが、彼のスケルツォは短い動機やリズムを繰り返し演奏しつつ、その上に旋律を展開する手法を多く取っているのが特徴です。
加えて、大方のスケルツォ部分の旋律が短調で、暗く威圧的にも感じられる一方で、トリオ部分の旋律が長調でそれらを打ち消すかのような陽気さを与えているのも代表的な特徴です。

この交響曲第9番のスケルツォは、スケルツォ部分がデモーニッシュなまでに荒々しい一方で、トリオ部分が嘘のように明るくうきうきするような感じを与えていることから、そのような傾向が手に取るようによく分かる展開を見せています。

ただ、明るいはずのトリオ部分で、ブルックナー自身の心の不安をのぞかせるかのように、ふと憂鬱な旋律が陰を投げかけていますが・・・
これからの彼自身の運命をこの時点で予感していたのでしょうか?

 

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<文> 岩田 倫和 (チェロ)