日蘭交流400周年記念
アマチュア音楽家ジョイントコンサート
出演者の回顧録
〜 演奏を振り返って 〜


演奏後の打ち上げパーティーの様子です。 誰かのコメントにみんなが笑っているところですね。
<演奏後の打ち上げパーティーでの写真>

<関西シティフィルハーモニー交響楽団員の感想>

以下に当団団員(9人)の感想文を掲載します。
非常に長いのでご注意下さい。)


英会話能力が皆無の私は、オランダ人の方々とほとんど会話をすることもなく、スケジュールは進行していった。しかし、本番直後の興奮と熱気の中で、同パートのメンバー達がオランダ人の方々と固く握手をしていたので、私は自分が英語を話せないのをすっかり忘れ、手を差し出し、握手しながらこう言った。
「さんきゅーべるまっち!!」・・・日本の恥である。

(チェロ奏者)


Fgパートとしてはとても良い2人だったので最高でした。前日の夜、マーイェットのステイ先のAさんからTelがありました。“楽器のネジがこわれている”と。慣れない日本で大切な楽器のハプニング、これはFgパートリーダー、木管の女ボスである私が何とかせねば、と翌朝、楽器店へ行きました。ぶじ応急手当され、えらく感謝されて…。気持ち良い想い出です。あと、前日練習で風邪で咳き込んでたときに、Obのフランクが水を差し出してくれたのには感動しました。そのお陰で彼と仲良くなれたし、次回シティフィル・オランダ公演の際にはホームステイさせてもらえるそうです!!
あと打ち上げでFg6人で“くるみわり人形”吹いたら2,3人が前で踊りだしたのが、楽しかった。Fgリーヌスは別れ際に自作リードを1本ずつくれました。
お別れのときは、涙流してしまいました。

(ファゴット奏者)


前日リハーサルの夕食時、Aさんが差し入れてくれた<赤福>を「ジャパニーズ・デザート」と言って同じテーブルの人に出したところ、好奇心旺盛なオランダの皆様は「なんという名前のデザートか?」と聞くので、「ディス ネーム イズ AKAFUKU」と答えた。ところがオランダの方は漢字に意味があるのをご存知で「どういう意味ですか?」と聞かれた。「……レッド・ハッピー……かな?」と言ったところ、またまた「それはどういう意味?」と聞かれたので、「日本ではハッピーなことがあると赤色を使うんです」と適当に答えた。
更に、「この黒いのは何か?」と聞かれ、同じテーブルの日本人全員で「あんこってなんていうの?」「ア カインド オブ ビーンズでええんちゃう?」「アンド シュガー ミックス?」と大騒ぎした挙げ句、ムジカ代表の吉田さんに聞いたら「“あんこ”でいいんじゃないの?」と軽く言われ、大騒ぎした自分達はいったいなんだったんだろうと思った。でも、オランダの方々は赤福が気に入ったらしく、おかわりしていた人もいたので、まぁ良しとしておこうと自分を納得させた。

また、アンコールの「荒城の月」の曲名の意味を聞かれ、<荒れた>の英語がわからなかった私は<オールド・キャッスル>だと<こうじょう>ではなく<古城(こじょう)>になってしまうが<う>が足りないだけだからまぁ良しとしようということで、そのまま答えてしまった。

(中略)

普段もかなりいいかげんだが、英会話になるとうそつきになる自分を発見した。
少ない脳細胞をフル回転させたのは久しぶりだが、その割にはあまりにも惨憺たる状態であった。日常会話くらいできないと、国際交流もままならないことを痛感した。
とても楽しく、貴重な体験だったが、精神的な疲労もかなり大きかった…。

オランダの皆様に<うそ>を言ったことをこの場を借りてお詫び申し上げます。ごめんなさい。

(ヴァイオリン奏者)


同じプルトになった方(団長さんだった!)に家にあったにおい袋を差し上げたら壁掛けをいただいた。
なんか、えびでたいをつった気分で申し訳なかった…

(ヴィオラ奏者)


クラリネットのリハールトさんとフルートのマラインケさんのホームステイを引き受けた。我が家では4回目だが、一家4人でアメリカに住んでいた時にも訪問と来訪を3回ずつ経験し、ホームステイには慣れていて戸惑いはなかった。
彼らが目を丸くして喚声を上げたのは最新式ウォシュレットだった。
打ち上げのときに相撲を取ったリハールトさんは口数の少ないひょうきんな人で、ポツリと話す言葉や仕草に何度も笑わされた。
環境問題が専門で、我が家の必要電力量の半分近くを賄うソーラーパネルに感心していた。家具の転倒防止器具も珍しがられて写真を撮られた。
微笑を絶やさないマラインケさんの専門は建築で、彼女の美しいカラー印刷の立派な著書を頂戴した。音楽は勿論、ヨーロッパと日本の建築や庭園にも話が弾んだ。
コンクリート製大阪城に失望したらしいので、お詫びのつもりで我が家の美術全集を引っ張り出し、姫路城や熊本城のカラー写真を見せて説明した。
滞米中に車による大陸横断旅行を家族連れで敢行して35の州を訪れ、後に妻を同伴して10ヶ国17都市を訪れたので、数々の多彩なハプニングが一家の共有財産になっているが、今回はアムステルダムに滞在した経験が幸いしたのか椿事は起きなかった。
家に滞在した時間が短くほとんど寝るだけの状況だったので、海外の経験が豊富で何事にも積極的に取り組む妻には心残りであったらしい。ホームステイの人達の場合はコンクリート製大阪城を見物する時間を割いて家族交流に費やしても良かったかも知れない。
オランダ人には学ぶところが多い。ニューヨーク(旧名ニューアムステルダム)の町と優れた経済システムの基盤を築いたのは彼らである。日本の金融や流通関係者らの狼狽ぶりを見ると天地の差を感じる。時代錯誤の硬直化した金融行政の実態を知ると恥ずかしくなる。海面下の国土を守る堤防は石を積んで作られ、生き物と共存し自然も守られている。海辺や川をコンクリートで固めて生き物を締め出す日本の公共事業担当者はおろかに見える。オランダの町は石畳の道が多いが、国内に山がないから石は輸入したのだろう。水を通さないアスファルトで町を固めて都市洪水を招き、地下室の人が溺れる国はどこかが間違っている。アンネ・フランクの家を訪ねると、迫害された外国人を命懸けで守った話に胸を打たれる。軍事立国のアメリカ人と交渉すると力づくでねじ伏せようとするので力を蓄えて対抗するほかなく、こうして鍛えてくれるが、貿易立国のオランダ人は友好関係を重要視してくれる。ダッチアカウント、ダッチロール、ダッチワイフなどと評判の良くない言い方をされる面もあるのだけれど。

(ヴィオラ奏者)

 


「ホテルに残っているオランダの皆さんの夕食のお世話をせよ!」との総務M氏、S奥様の恐怖の指令を受け、団員8人(M氏奥様を含む)で50人余りのオランダ人を3グループに分けて食事に繰り出すことに。
私が加わったメンバーは焼肉に行くことになり、大人数のオランダ人の来店に店員の皆さんもお客の皆さんもびっくり。しかもオランダ人はとにかくよく食べる!中でもコーンを焼いたものと、チシャ(韓国の葉っぱ。焼いた肉を包んで食べる)が大いに気に入ったようで、追加注文を繰り返すハメに。
冷麺、クッパ、ビビンバなども一通りたいらげ、肉のお皿も全て空になった。いろいろと無理な注文を快く聞き入れてくださった焼肉店のおばちゃんと、膨れ上がった勘定の半分近くを豪快に払ってくださった(払わされた?)A氏に心から感謝したい。

(以下略)

(匿名)

 


私は団外活動委員として他団体のオーケストラが主催するイベントに参加しています。そのとき、いつも主催団体側の手際の良さともてなしにいつも驚いていました。
今回、そんな私が初めて主催団体側の人間としてイベント参加できたことにとても感謝しています。但し、今まで私自身が感じてきた有り難さをオランダオーケストラの皆様に少しでも差し上げることができたかは、非常に自戒の念を禁じ得ません。
この戒めを胸に、次回主宰団体に加わる機会に恵まれた折には、もっと素晴らしいイベントにしていきたいです。

(ヴァイオリン奏者)

 


第1部への出場者を選出するための「くじ」を引いたところ、「当たり」となり、あろうことかヴィオラの第1プルトに座ることとなった。お隣は何と作曲家のカウマンズさん。流石に「耳」の良いのには感嘆した。
リハーサルではミスばかりしていたのに、何故か本番では大きなミスも無く、日本代表(?)の重責を果たしたことに大いに満足した。錯覚もいいところである。
盛り上がった打ち上げでも調子に乗り、3年先の合同演奏には必ずオランダへ行くと言いふらしたが、「いのち」があればのことである。

(昭和一桁生まれのヴィオラ奏者)

 


緑の美しい5月27日、アマチュアオーケストラ日蘭ジョイントコンサートのお蔭で、私達は念願のホームステイをさせて頂く事ができました。オランダのホームステイ希望メンバーの中で「日本人とベートーヴェンのカルテット(弦楽四重奏)作品18を是非したい」とリクエストした方がおられ、一度にVn(ヴァイオリン)とVc(チェロ)の揃う私共の所に彼女が来られる事になりました。
Va(ヴィオラ)をオケのAさんにお願いし一緒にホームステイをして頂く様アレンジしました。オランダからのメンバーはオケのコンミス、50才の法律家。少々不安に思いながら彼女を迎えました。我が家に夕方6時ごろ到着。30分程のティータイムの後、カルテット開始。ベートーヴェンの作品18全6曲のうち「どれをしようか」と言いつつ1番より弾き始める事になりました。(ひょっとして全曲するつもり……???)2曲済ませ、20時30分から1時間程の夕食。母親である事は万国共通、互いの子供の話、夕食のレシピの話に花を咲かせつつ、日本の家庭料理を楽しんで頂きました。彼女は、散らし寿司の“れんこん”に甚く感動している様子。「素晴らしい!こんなに手の込んだ事までして!!この無数の穴は、どうして開けたの……?!?!」
食事も早々に更に3曲終わった時には、翌日になっていました。
翌朝「ここまでやったら残りの1曲も」と、6曲すべてを弾き終え、急いで練習場に向かいました。マリエラはこれらの曲に常に接していて、とても自然に、楽しく、音楽を表現し、一緒に弾いている私達も、時間が経つのも忘れるほどで、充実したときを過ごす事ができました。
アンサンブル好きも万国共通、このカルテットを再びオランダで出来ることを夢見つつ…。お世話してくださった方々、有難うございました。

(ヴァイオリン奏者&チェロ奏者の夫婦)